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黒い太陽と赤いカニ―岡本太郎の日本レビュー

黒い太陽と赤いカニ―岡本太郎の日本については、レビューするまでもないと思いますが、
持っている友達に聞いたらとても高評価でした。

さすが中央公論新社の物は違いますね。
私自身は、金欠でまだ買えませんので、買える方がうらやましいです。

黒い太陽と赤いカニ―岡本太郎の日本早く欲しいなぁ^^;

黒い太陽と赤いカニ―岡本太郎の日本購入された方、ぜひレビューしてくださいね。

黒い太陽と赤いカニ―岡本太郎の日本

椹木 野衣

黒い太陽と赤いカニ―岡本太郎の日本

定価: ¥ 1,890

販売価格: ¥ 1,890

人気ランキング: 303720位

おすすめ度:

発売日: 2003-12

発売元: 中央公論新社

発送可能時期: 通常24時間以内に発送


かつて岡本太郎は「対極主義」の実践を説いた。互いに対立する2つの要素を同時に共存させることにこそ芸術の本質があるとでもパラフレーズできるこの主張は、「日本」と「西洋」、「縄文」と「現代」といった具合に、太郎の実人生や作品のなかにさまざまな痕跡をとどめている。この主張は多くの人々を魅了したが、気鋭の美術評論家として知られる著者もその1人だったらしい。著者の関心は、戦後美術史の意欲的な再構成として注目された『日本・現代・美術』にも断片的に現れていたが、独立した1冊の書物としてまとめられた今回の論考は、多くの資料を参照しまた生涯全体を視野に収めていることもあって、より本格的な太郎論に仕上がっている。 もっとも、内容自体は大幅にバージョンアップされているにしても、「対極主義」を重視する著者の基本的スタンスは以前と変わっていない。多くの読者が予測するとおり、本書最大のハイライトはやはり70年大阪万博について述べたくだりだが、著者は、太郎の長きにわたる戦前のフランス留学時代や「バクハツおじさん」として大衆の笑いの対象となった晩年にも等しく注意を払い、この人物の生涯を大胆で繊細な1本の線として引く力業を展開してみせる。また太郎の思索の根底にはバタイユやコジェーヴからの影響を独自に消化した弁証法的な枠組みが潜んでいるとの指摘にも、今さらながらなるほどと思わせられる。毀誉褒貶(きよほうへん)に満ちた太郎の生涯を包括するのに、それ自体弁証法のような構造を持つ「対極主義」という視点は大いに有効なのだろう。 太郎ルネサンスとも呼ぶべき21世紀の現在とは隔世の感があるが、90年代の一時期には太郎の名がほとんど忘れ去られていたことがあり、著者は自らにもその責任の一端があると感じている節がある。また現代美術や社会運動に詳しい読者であれば、著者が太郎の「殺すな」という一言に刺激されてイラク戦争の反戦運動を組織した事実も周知のことだろう。「太郎の『否(ノン)!』はいっそう暗く、赤い光を上げはじめる」という印象的な締めくくりは、著者の太郎受容の濃密さをも物語っているはずだ。(暮沢剛巳)


岡本太郎再評価の決定打
気鋭の美術評論家、椹木野衣による岡本太郎論。ヘーゲル-バタイユから導かれた「対極主義」の意味、父・岡本一平の漫画との関連性、“縄文”をはじめとした日本再発見の意義、万博における丹下、磯崎のモダニズムとの対決など、太郎の軌跡に対して椹木野衣が提示する解釈のひとつひとつが独自性を持っており面白い。岡本太郎と言えば、僕らの世代には「太陽の塔」と「ゲイジュツは爆発だ!」のおじさんなのだが、やっぱとてもベラボーな人だったのね、というのがよく判った。岡本太郎の影響下にあってギャグ漫画と前衛美術を行き来したタイガー立石も興味深い人物である。最初から中盤まで一気に読ませるが、万博を扱った終盤やや、だれる。終わり方がちょっと中途半端なのも残念だ。でもこれ一冊読んで、とりあえず川崎の太郎美術館に行ってみよう!という気にはなる。
岡本太郎の次の文章がかっこいい。「人間は生きる瞬間、瞬間、自分の進んでいく道を選ぶ。そのとき、いつでも、まずいと判断するほう、危険なほうに賭けることだ。極端ないい方をすれば、己れを滅びに導く、というより死に直面させる方向、黒い道を選ぶのだ」これ、なかなか言えない。

太郎の絵に「ニャロメ」が?
これまで「今日の芸術」や「太陽の塔」などを通じて岡本太郎に興味をもってはいたのですが、なんで万博の後に「爆発おじさん」みたいになっていったのか疑問でした。その繋がりがこの本で初めて論じてあって、新鮮な驚きを感じました。
キュビズムのようなヨーロッパの前衛芸術が、日本の土壌で消化された結果、赤塚不二夫の漫画のなかの、福笑いのような顔のキャラが発生したという議論は、美術/漫画の日本における不分明さに注目した刺激的な視点です。
パリ時代のコジェーブ、バタイユといったフランス思想家たちとの影響関係が丹念に後付けられており、さらに帰朝後、『沖縄文化論』になどで描かれる日本・列島論と、コジェーブの日本論(日本的スノビズム)とが切れ味するどく対比されて分析されています。
ここまで岡本太郎の断片的な活動は、他の本で知ることができましたが、それがようやくまとまりをもった像になって、すごくカタルシスを感じました。そういうことだったのか! 待望の、初めてのトータルな岡本太郎論です。
しかし、太郎の「森の掟」のキャンパスに「ニャロメ」みたいのがいるって書いてあるんです(笑)。でもたしかに岡本太郎の作品って本当に、美術なのか漫画なのかあいまいなのは事実。その当たりはお父さんの漫画家・岡本一平との比較の章に面白く書かれています。

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